断酒会は、1953年に東京で発足した「断酒友の会」と、1958年に高知で発足した「高知県断酒新生会」が合流し、1963年に「全日本断酒連盟」(全断連)として結成されたことから始まります。例会(毎週1回が原則)と酒害相談が活動の2本柱です。
例会の参加者は会員と会員の家族で、場合によって会員でない人の家族、医療関係者などが出席することもあります。AAのように匿名ではなく実名であり、例会の内容は体験談が中心です。
断酒会は、個人の酒癖がアルコール関連問題(断酒会では酒害という)の原因であると考えます。酒害者(アルコール依存症の人)が立ち直るために断酒道(反省、感謝、報恩)を説いています。
基本方針に全日本断酒連盟による「断酒新生指針」と「断酒規範」があり、他に「断酒の誓い」、「心の誓い」、「家族の誓い」の3つのスローガンを掲げています。
当院では院内断酒会が開催されており、外出や外泊で地域の断酒会や断酒会開催のイベントに参加することが可能です。
AAは2人のアルコール依存症者により1935年にアメリカで始まりました。AAはAlcoholics Anonymous(匿名のアルコール依存症者の集まりという意味)の略で、メンバーは匿名になっています。
AAと12のステップの回復プログラムには、飲酒を止めたい人なら誰でも費用がかからず参加ができます。そのプログラムは、飲酒問題からの回復をメンバーがお互いに助け合うという前提を基礎にしています。世界の95カ国の人がAAのミーティングに参加しておりメンバーは約100万人で、世界で最も大きく最も利用しやすいプログラムとなっています。
AAはアルコール依存症を身体的、心理的、社会的、スピリチュアルな要素を持つ疾患と見なしています。12ステップの回復プログラム、討論や指導ミーティング、あるいは“スポンサー”と“回復中のメンバー”の間で、といったような局面で、回復の諸領域の問題に取り組むプロセスが回復とされます。メンバーはお互いに電話番号を交換したり、ミーティングに一緒に出席したり、お互い支援し合ったり、回復の成果をお祝いしたりして助け合います。
当院では院内AAミーティングが開催されており、外出や外泊で地域のミーティングやAA主宰の各種イベントに参加することが可能です。